茶盌は心地よく掌になじみ
見込は広く豊かで
お茶が気持よく飲める。
花器は花を入れたら器も花も
美しくなる。観ているだけでも楽しくなる。
そんな陶器が作りたい。
作れる人間に私はなりたいのです。
吉田喜彦
2016年12月以来、2年ぶりに吉田喜彦先生の最新作による個展を開催いたします。
80歳代になられてから、吉田先生の誠実で奥行きの深いお人柄が、益々自然に、かつは濃厚に作品に反映されているものと信じます。
60年以上にわたる先生の陶業ですが、自らに飽き足りることなく、日々孜々として、轆轤と窯とに向かわれておられます。
先生自らのお言葉のごとく、肩肘を張らず、ケレンミのない、自然そのものへの憧憬が、近年ますます発揮されているようで、最新作のひとつひとつが、現代の志野の世界でも独特の風格を放射されていること、決して誇張ではありません。
次代の古典となるべき資質にあふれた今回の最新作の数々を、ぜひ、会場にてご高覧くださいますよう、ご案内を申し上げます。
ギャラリーこちゅうきょ
撮影:S&T Photo.