箔マーブル文蓋物 径5.7  高7.0 cm

箔マーブル文蓋物
径5.7 高7.0 cm

陽刻山羊文器   径8.1  高5.0 cm

陽刻山羊文器
径8.1 高5.0 cm

右:金箔二層挿み陽刻文器   	径14.7  高5.5 cm 
中:型押し唐草文輪花盃   	径8.0  高3.6 cm 	
左:虹彩型押し唐草文輪花盃   	径7.7  高3.7 cm 

右:金箔二層挿み陽刻文器 径14.7 高5.5 cm 
中:型押し唐草文輪花盃 径8.0 高3.6 cm 
左:虹彩型押し唐草文輪花盃 径7.7 高3.7 cm 

松島巌コアガラス展

会期:
   11:00-18:00
会場:壺中居3Fホール
主催:ギャラリーこちゅうきょ

主催者よりごあいさつ

松島巌先生とコアガラスの出会いは20代の頃、倉敷・大原美術館で古代のコアガラス小瓶に興味を持たれたことに始まる。
道具も制作技法も明確に伝わってこなかったコアガラス。

独学による制作はみちよ夫人との二人三脚で、多くの試行錯誤を繰り返されたと聞くが、それは歴史を一つ一つ紐解くような感覚だったのかもしれない。

そして研究と制作のキャリアを重ねられ、技術は円熟の域となられた今も想像の自由な羽を広げるようにコア技法での新たなガラスの表情を追求されている。
ガラスには様々な制作技法があり、その特性による表現の違いもまた見どころのひとつと言える。

コア技法ならではの重層的な色の調和や紡ぎ出された文様、そしてバーナーワークによる色の変化の妙味。
ぜひ「掌中の珠」を見つけに皆さまのお越しをお待ち申し上げます。

 

2024年6月   
ギャラリーこちゅうきょ

 


 

 コアガラス技法は紀元前16世紀ごろのメソポタミアで始まり、古代エジプト18王朝の頃に盛えた最初期のガラス器制作技法です。案内状見開きの陽刻や型押しの方法は古代コアガラスには見られなかった表現ですが、この技法の要ともいえるコア型があればこそ可能になるホットワークです。

 歴史的に継承されてきた多くの工芸技法と異なり、この技法の二千年近い空白の歳月はむしろ私に自由な想像力とフィールドを与えてくれ、工芸としての新たな表現を探りながら新鮮な気持ちで続けることができました。多彩なコアガラスの表情をこの度は壺中居の落ち着いた空間で愉しんでいただけますようご案内申し上げます。

松島 巌

Artist

松島 巌 MATSUSHIMA Iwao

1946 岡山県に生まれる
1970 岡山大学教育学部卒業
1975 独学でコアガラスの研究を始める
1994 富山ガラス造形研究所非常勤講師(~2016)
2001 コーニングガラス美術館 The Studio 講師(USA)(2004)
2006 法隆寺金堂 天蓋補修のガラス玉を制作(~2008)2020年天蓋が国宝指定
2013 大英博物館でヘレニズム期スパイラルレース碗の調査、復元

        

<展覧会>

1981 現代ガラスの美_オーストラリア・カナダ・アメリカと日本(京都国立近代美術館)
1994  '94世界現代ガラス展(北海道立近代美術館他巡回)
1999 日本のガラス2000年_弥生から現代まで(サントリー美術館)
ガラス工芸-歴史と現在(岡山市立オリエント美術館)
2000 古代ガラスの技と美(東京古代オリエント博物館他)
2010 松島巌ガラスの世界_甦るコアガラス(高梁市成羽美術館)
2013 「古代ガラス-色彩の響宴」+「たまもひ-松島巌コアガラス」(MIHO MUSEUM 、岡山市立オリエント美術館巡回)
Drinking Glass-酒器のある情景(サントリー美術館)
2014 第19回MOA岡田茂吉賞展-明日の工芸を展望する(MOA美術館)
2015 工藝を我らに(資生堂アートハウス)(~2018)
2016 東京国立近代美術館工芸館名品展「日本工芸の100年」(岡山市立オリエント美術館、島根県立美術館)

 

<受 賞>

1996 岡山市文化奨励賞
2000 岡山県文化奨励賞
2004 福武文化賞
2023 山陽新聞賞(文化功労)

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