弊社にて紙刀=ペーパーナイフを制作提示する場を設けたのは2013年の春、畠山耕治先生には初めてのテーマ=アイテムの試みでした。試行錯誤とたゆまぬ研究の末、実に見事な質と美を併せ持つ紙刀を世に問うことが出来、少なからぬ反響を得ました。
2018年には5年ぶりに紙刀の新作を少数限定で制作していただき好評を博しました。
そして昨2022年秋、菊池寛実記念智美術館にて初の大掛かりな回顧展「畠山耕治 青銅を鋳る」が開催されました。
この回顧展では2018年版からさらに品質と品位を高めた紙刀を制作して展示されたこと、皆さまのご記憶に新しいことでしょう。
金沢美術工芸大学教授としての任を終え、造形作家として金属の仕事の幅を積極的に広げてゆくにあたり、限定数ながら最新作を当ギャラリーにて発表展示する機会を設けました。
上記の紙刀をはじめ、いわゆる「聖なるもの」シリーズ、花入型、掛花入型の形態のもの、壁面展示向きの小品など、畠山先生による最新の作品の精髄をぜひご覧いただきたく希望します。
2022年を機に作家活動を本格的に再開し、金属芸術の可能性を探求模索する姿勢は今後も大いに期待され、後進諸氏への励ましと鑑(かがみ)となることと信じます。
2023年 4月
ギャラリーこちゅうきょ
東京アートアンティーク~日本橋・京橋美術まつり
会期:2023年4月27日(木)~29日(土)
主催:東京アートアンテイ―ク実行委員会
https://www.tokyoartantiques.com/

撮影:S&T photo
| 1956 | 富山県高岡市に生まれる |
| 1980 | 金沢美術工芸大学工芸科鋳金専攻卒業 |
| 2017 | 金沢美術工芸大学工芸科教授(~2022) |
<展覧会>
| 1995 | Japanese Studio Crafts(ヴィクトリア&アルバート美術館/イギリス) |
| 1998 | Contemporary Japanese Crafts(デンマーク国立博物館/デンマーク) |
| 2000 | うつわをみる-暮らしに息づく工芸-(東京国立近代美術館工芸館) |
| 2002 | 近代の工芸-百年の歴史(東京国立近代美術館工芸館) |
| 2006 | Collect(ヴィクトリア&アルバート美術館/イギリス) (2007,2008) |
| 2007 | 工芸館30年のあゆみ(東京国立近代美術館工芸館) |
| 2010 | 現代工芸への視点―茶事をめぐって(東京国立近代美術館工芸館) |
| 2012 | 現代の座標(東京国立近代美術館工芸館) |
| 2016 | 革新の工芸-「伝統と前衛そして現代(東京国立近代美術館工芸館) |
| 2018 | ジャポニズムの150年(パリ装飾美術館/フランス) |
| 2019 | 明治の工芸・平成の工芸(ギリシャ近代文化博物館/ギリシャ) |
| 2022 | 畠山耕治-青銅を鋳る(菊池寛実記念 智美術館/東京) |
<受 賞>
| 2000 | タカシマヤ文化基金/タカシマヤ美術賞 |
| 2007 | 佐野ルネッサンス鋳金展/大賞 |
| 2012 | MOA岡田茂吉賞/MOA美術館賞(工芸部) 菊池寛実記念智美術館「茶の湯の現代」/奨励賞 |