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畠山耕治
竹中 浩 5.白磁面取茶碗 銘「呑海」    径13.0p 高8.5p
竹中浩展   −茶碗抄−
会期: 2023年6月5日(月) - 10日(土)
時間:
11:00 - 18:00
会場: 壺中居3Fホール   MAP ►►

竹中 浩 個展 「茶碗抄」に寄せて

竹中浩といえば、わが国を代表する白磁作家である。
白磁以外にも、染付、銹絵、色絵など幅広く手掛けているが、とくに
氏の作る文房具は定評がある。 時々、茶碗を作っていることは知って
いたが、送られてきた 「茶碗抄」を見て驚いた。白磁、青磁、鉄絵は
もちろん、信楽、備前、丹波、越前、京唐津から黒楽、赤楽、天目、
粉引までを本格的に作っていたからだ。師匠の近藤悠三も、その師匠
の富本憲吉も、決して茶碗を積極的には作っていない。孫弟子にあた
る竹中が、七十半ばを過ぎてから、こんなにも茶碗を作っていたこと
に驚いたのである。 その茶碗は、これまで竹中が習得した技法を基本
として、その作風も竹中風を貫いている。だから、形の歪んだものや
中心線のずれたものは見当たらない。それは、故意に歪ませると、
そのわざとらしさがどうしても見えてしまうからだ。 茶碗の魅力は、
茶碗から醸し出される清潔感にある。そして、なによりも無心である
ことだ。剣道少年だった竹中は、京都に上京してから居合を始めた。
無心の心は、その修行の中で体得したのであろう。その潔さがなけれ
ば、こんな茶碗は生まれてこない。
竹中が、裏千家十六代家元 坐忘斎千宗室氏に愛される理由が、
そこにある。


森 孝一(美術評論家・日本陶磁協会常任理事)

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