主催者よりごあいさつ 壺中居を会場に2年ぶりに川瀬忍先生の個展を開催いたします。 前回の個展では「外焔 がいえん」すなわち酸化焼成による青磁の新技法を公にし、 壺・花生・筒(茶器型)を中心とする斬新かつバラエティ豊かな力作を発表して頂 きました。 青磁の色の多彩性を表現するうちに益々青磁の深遠性と無限の可能性を実感され、 いよいよ意欲的にご研究を進めてこられ、今回の新作発表へと結実しました。 ハイライトの画像をご覧頂ければご理解頂けると拝察しますが、卵殻や象牙を髣髴 させる白色系統のもの、いわゆる「窯変米色瓷」系統の色目のもの、中国清朝時代 の「茶葉末」(蕎麦色)系統のも等々、多彩な色彩感が横溢した作品群でございます。 また「磁」から「瓷」へと意識的に言葉を使い分けておられるように、土味として の磁器から瓷器への生成過程によるディテールの繊細な完成度も、今回の大きな見 どころでございます。 造形も益々円熟味を増して「柔らかみ」と「凛々しさ」が絶妙にバランスを取り、 円熟期を迎えつつある川瀬先生の本領が遺憾無く発揮されていることと確信いたし ます。 皆様のご来場を心よりお待ち申し上げます。 |
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